春の山菜ってあわただしい。雪の少なかった冬が終わると,ふきのとうはあっという間に過ぎていった。たいちさんが,ぐーたらな親の代わりに山菜を採りに行く。ながたんのまめが連れてってくださった。まめが一緒にいくと,いいもんが採れる。
葉わさび,ノカンゾウ,それにコゴミかな。いいなぁ,お山は。ぐーたらしてても,ちゃんとこどもたちが山の幸をおうちに届けてくれる。
たんこさんも,基本,動かない。でも,今年の春はひと味ちがうようだ。ぐーたらな私は畑を越えては動かない。今年のたんこさんはお山のおうちから半径50メートル,いや70メートルは動いている。その半径のなかに,たんこさんの秘密のシャク畑ががあるらしい。かりんさんと一緒に視界から消えたとおもったら,なんかもしゃもしゃしたものを持って帰ってくる。これが,そのシャクだ。
にんじんの葉っぱのような形で,これがおいしいんだ。
たいちさんが採ってきた山菜の目玉は,葉わさびだ。葉わさびっておいしいな。辛みの利いた葉わさびにするのは,調理の仕方。
まず茹でる。きれいな色。塩,砂糖となかんとか,たんこさんが言っている。わたしは食べる人。気にしないし,知らなくていいや。
葉わさび叩いて,揺すって,踊って。ぐーたらなわたしたちに代わって,子どもたちが揺すって,踊る。
絶品でした。
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