子供のころ,ちょうど私が11歳の夏でした。子供にしては,夜も遅くにNHKのドラマを家族で見ていました。はよ寝ろと言われるぐらいの時間に近づき,なんとかテレビにしがみついた時間帯でした。そのドラマのテーマ曲がずっと頭に残っていました。なんだか夏休みも終盤で,退屈やら,名残惜しいやら。それが「晩夏」という曲だったことも最近たまたま知っただけで,荒井由美だの松任谷由実だのの曲にさらさら関心のない私にとっては,思い出そうとしてもたどりつかないような曲でした。
ただ,ドラマのテーマ曲が流れる間にテレビに映る夕焼けをかすかに思い出す程度で,そりゃ子供のころのあいまいな記憶で歌詞もおぼろに「ゆうやけをすってもえたつはけいとう」というところなどだけ意味もわからず覚えていたありさまでした。で,ずっと気になっていたのが,「はけいとう」ってなんだそれということでした。それと,子供ながら,茜(あかね)と紅(くれない)はどう違うのかと,歌詞からぼんやりと思っていました。
「はけいとう」は葉鶏頭だと知り,ではどんなものだということになり,街の花屋やホームセンターを回ったものの,鶏頭はあるものの,葉鶏頭の種がない。ネットで見つけて,今年ようやく種を買って植えてみました。でも,少し遅かったようで,晩夏に夕焼けを吸うほどには,育たないかもしれません。

それにしても,夕焼けを吸って燃え立つというのは,なかなか素敵ではないかと,なんだか葉鶏頭に愛着がでてきました。
その歌詞はつぎのとおりだそうな。
ゆく夏に
名残る暑さは
夕焼けを吸って
燃え立つ葉鶏頭
秋風の心細さは
コスモス
何もかも
捨てたい恋が
あったのに
不安な夢が
あったのに
いつかしら
時のどこかへ
置き去り
空色は水色に
茜は紅に
やがて来る
淋しい季節が
恋人なの
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