大長谷は春です。
空を見上げると,そこには夏への扉が開いています。

この一年で虫嫌いの太地さんも,ミミズとは仲良く遊べるぐらいにはなりました。
「ん,これミミズかな?」

「ミミズだ!」
「あれ,すごく大きいよ!」
舞ちゃんと太地さんは,なにやら畑をつついています。

取り上げてみると立派なミミズ。
昨年,私たちの畑は石だらけの硬い土でした。地道に耕し,石を拾い,その甲斐あってか,今年の畑はミミズがいっぱいです。
太地さんは,得意げに私にミミズを見せに来ました。ミミズを顔に近づける仕草そのものが太地さんのこの一年の成長の証です。

再び空を見上げると,ぽっかりと夏への扉が開いていました。

[0回]
PR