地味なおみやげを,むしろ,ことのほかよろこぶたんこさん。その昔,清水の舞台から飛び降りた気持ちでシェレメティエヴォ空港で買ったスワロフスキーの水晶の小さなくまさんは,たんこさんの喜びの声もなく,ただただ抑揚のない感謝の言葉を聞いたあとには,なんであんなもの買ってあげようと思ったのかさえ私自身わからなくなり,以来一度もその輝きを我が家で見たこともなく,我がプレゼント史の汚点として長く封印され,きっと独り透き通った水晶の涙を押し入れの片隅で流しているであろう,そんなくまさんです。それに比べたら,シェレメティエヴォ空港のラウンジでちょいと失敬したレイズのポテチを持って帰ると,たんこさんの女神の微笑みが長旅で疲れた私に注がれるのです。
スメタナ味のポテチは,日本じゃ見ませんね。これがまたたんこさんのネズミ心を刺激するのです。パリパリと笑みを浮かべながら食べます。
ネギ味。なんだか地味でいいぞ!以前は寿司味ってのも買ってきたことがあった。微妙な味だった。要は,寿司飯の味にしたかったのね。
私は,どちらかと言えば,チーズ味がすき。プリングルスもレイズも,洋物はガツンとチーズの粉がかかっていますもの。日本のチーズ味は,なんだかどれも満足できない。チーズ味はガツンといってもらいたい。
ま,私の好みはいいとして,今回もレイズのポテチ,一番よろこんで頂きました。

いままでで一番喜んでもらえたおみやげは,私の記憶では,キンダーサプライズでチェブラシュカの入ってたやつ,歌うワニのゲーナ,黒パン,サラミ・ソーセージ,ピクルス,友達のアンドレイのとこでもらってきた使い古しの旧ソ連製グラス,ロシアのポテチ,ロシアの飴さん(スイカ味),ん〜,みんな安い。おみやげ持って,そのまますぐにピクニックに行けそうだ。生活でないものを放逐し,ロシアのクバルティーラ(アパート)のなかにある当たり前の暮らしのなかに喜びを嗅ぎとる。まさに,たんこさんのネズミ心なんですね。
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